調剤報酬の仕組み

処方箋

一般に「お薬屋さん」等と呼び親しまれる薬局は、「調剤報酬」というお金を得ることで運営されています。薬局で薬を購入した時に支払うお薬代は、 この調剤報酬のごく一部です。残りは保険者(多くの方が保険料を支払っている国民健康保険や健康保険等の、保険組織)が、薬局に支払う仕組みになっています。

この仕組みは、病院で診察を受けた時に支払う診察代や、介護サービスを受ける際に支払う利用料と、よく似ています。 病院の診察代は「診療報酬」の一部で、大半はやはり国保や健保等の保険者が支払います。介護サービスの利用料は「介護報酬」の一部で、この場合は市町村という保険者が支払う形になっています。

調剤報酬は、どちらかと言えば病院の診療報酬の方に似ています。患者様が風邪をひいて、病院へ行き、診察を受けて、処方箋をもらい、診察代を渡す。 この時、病院では患者にどのような医療を施したかが記録されます。病院は厚生労働大臣が定めた「診療報酬点数表」を使って、 患者様に施した医療の内容と照らし合わせて点数を数えて、その点数を診療報酬に換算して、患者様と保険者にお金として請求するのです。

調剤報酬も同じように「調剤報酬点数表」というものが定められていて、薬剤師が行う様々な活動により点数が決まります。 点数に応じて、お客様と保険者に報酬を請求することも診療報酬と同じです。 お客様にはお薬代として直接請求をしますが、保険者には「審査支払機関」という機関を通じて間接請求します。請求内容が機関でチェックを受け、 合格したら保険者に請求が行き、保険者も独自に請求内容をチェックする。これに合格して、やっと薬局に調剤報酬が支払われる仕組みになっています。

何故、このような仕組みになっているかというと、日本の医療が、国民が全国どこでも安心して安全な医療を受けられる「国民皆保険」と呼ばれる考え方で運営されているからです。 どの病院・薬局・介護施設へ行っても、同じ料金で高いレベルの医療を受けられるようにするには、その料金を予め公的に決めておく必要があります。

病院で患者様が看護記録等の開示を求めるように、介護サービスをご利用される方々が利用料の内訳の説明を求めるように、医療現場における透明性の確保は重要性を増しています。 薬剤師も「お薬代」の内訳がどのように決まっているか把握しておくことは大切です。お客様の疑問に薬剤師が分かり易く説明をすれば、お客様は安心して薬局を利用できます。 お客様の薬局と薬剤師への信頼感が生じることで、お客様と良い関係を築くことができるでしょう。