地域薬局の役割

現在の日本における社会保障改革の一端から、地域医療の連携の質を高めていくことが求められており地域薬局の役割についても変わってきています。 国の医療行政における政策の転換から医療についての社会環境が変化してきており、入院医療が主軸であった従来の病院完結型の医療から、 地域完結型の医療へと制度的な変換が行われてきています。 地域の医療に携わっている医療従事者同士がお互いに連携し合うことで、ひとりの患者さんの症状の緩和に対して関わっていくことが求められています。

患者を中心として地域医療の考え方の中で、地域薬局が積極的に地域連携を行って地域医療の役割の中心となることが期待されています。 患者の安全性の確保や医療にかかる経費の削減の観点から見ても、医師、看護師、薬剤師などの医療従事者の連携が必要となっており、 情報を共有化することで地域の人材や医療機器を有効的に使用していくことができ、無駄な投薬やコストを抑制することができます。 院外における処方が主な方法となっている現在において、地域薬局は欠かせないものであると言えます。

病院の医師や薬剤から送られてきた情報と地域薬局での行われる指導との内容面で異なる部分があった場合、患者に不安を感じさせてしまいます。 そのようなことにならないように、地域薬局の薬剤師は処方せんを発行する医師がどのような基準で医薬品の処方を行い、 患者に対して説明を行っているかについて把握しておく必要性があります。情報の食い違いが起きないように、 病院の薬剤師と地域薬局の薬剤師との間で勉強会などを通じて、連携が取れる関係性を作っておくことが大切であると考えられます。

近年においては薬の配達行為や、患者の居宅を訪問して服薬の指導を行うなど、在宅医療についての地域薬局の薬剤師の役割は大きなものとなっています。 在宅によるケアには、看護師、ケアマネージャー、訪問介護士、事務職など様々な他業種のスタッフがチームとして関わることになり、 そのことによって医師や一部の看護師だけに在宅医療におけるストレスがかかることを防ぎ、全員がフォローアップしていける体制作りが必要になってきます。 薬剤師においても従来以上に意識の変更が必要となり、薬学や医療についての高度な専門性のある知識や技術が必要となることと、 それらについての高いコミュニケーション能力も求められてきます。 専門的なプロフェッショナルとして地域の社会と信頼関係を築いていくことで、地域薬局の重要性が高まっていくものと考えられます。