制度依存型の業界

医療行為は国民の安全や健康を保つ上での大切な政策で、その制度を成立させるために病院、薬局や、医師、看護師、薬剤師などの医療に従事する者には様々な制約があります。 調剤薬局においても保険調剤を通して医療においての役割を果たすために、多くの規制のもとで成り立っています。

医薬品や医療行為については人間の命や健康、生活について大きな影響を与えるために、医療や薬事の業界には他にはない厳格な規制があります。 医薬品などに関しては薬事法、病院や診療所などの医療施設の面においては医療法、医療の従事者についての医師に対しては医師法、薬剤師に対しては薬剤師法で規則が定められています。
医療の適用される範囲や必要な費用については健康保険法が適用されることになります。これらの医療全体をまとめるのが医療法や医療基本法と言うことができ、 薬事を扱う薬局は全てにおいて薬事法の適用を受け、薬局の開設や運営も薬事法の下で行われることになります。 調剤行為をする薬局においては、医療を提供する施設ということになり医療法の適用を受けるものとなります。

このように医療行為は法律で規制されており、調剤薬局は制度依存型の業界であると言うことができます。 調剤薬局は順調に市場の拡大を図ってきましたが、少子高齢化社会が進行していき日本国の財政が不足していくために、 社会保障制度改革の必要性が高まってきており、医療もその例外ではありません。
医療体制においては病院の機能面における分化と連携が進められており、入院型医療から地域包括的な医療へと方針の転換が迫られていて、 在宅医療や地域密着型によるケアシステムが推進されています。

日本政府が策定している社会保障と税の一体改革では、今後将来における人口の構成の変化が進んでいく中で、年金制度や医療制度、 介護制度などの社会保障を実現可能なものとするためには財政を維持していく必要があり、制度依存型であった医療業界においても変革する必要がでてきており、 調剤薬局においても同じことが言えます。
調剤薬局業界も医療関係者や患者から、医薬の分業についての有効性において指摘を受けている現状もあり、制度依存型で進んできた薬局や薬剤師にも変革が迫られています。 薬剤師においても免許をもっているだけや、調剤を行えるというだけに留まらず、地域における効率的で質の高い医療のニーズに応えられることが求められており、 社会の要請にどのように応えていくかが調剤薬局が今後生き残っていけるかどうかの条件と言うことができるでしょう。