マンツーマン薬局の役割

現代において薬剤師はさまざまな場所で活躍することができるような環境となっていますが、 中でも特に薬剤師に対するニーズが高い場所こそが「調剤薬局」という場所です。病院などから発行される処方箋に記された内容に応じて医薬品を調剤し、 患者に対して処方するというその業務は、高いレベルでの医療分業が求められる現代においては非常に重要な意味を持つ存在です。 この調剤薬局という場所はさまざまなあり方が存在しており、それぞれのあり方によって呼ばれ方もさまざまです。

病院などの前にある調剤薬局は基本的に「門前薬局」という名前で呼ばれることとなりますが、 門前薬局の中でも診療所の前に構えているような調剤薬局は「マンツーマン薬局」と呼ばれます。 マンツーマン薬局は薬局内で取り扱う処方箋のうち、80%以上が特定の診療所で発行される処方箋出会ったような場合にのみ呼ばれる名前であり、 通常の調剤薬局とは異なる特徴がいくつか存在しています。

まずもっとも大きな特徴となるのが「調剤薬局の専門性が、近くにある診療所の診療科目に左右されやすい」ということです。 皮膚科をメインに診断するような診療所の前であれば皮膚科に関する医薬品に特化していくこととなり、 眼科をメインに診断するような診療所の前であれば眼科に関する医薬品に特化していくこととなります。

また大病院ではない診療所は土日よりも水曜日や木曜日といった平日を休日とするケースが多いことから、処方箋の発行量もそうした休日などに影響を受けて定まります。 診療所が稼動している土日にマンツーマン薬局が休業してしまうと、患者が医薬品を手にすることができないなどのケースが発生するため、 マンツーマン薬局は基本的に診療所とあわせて休日を設定することになります。

こうした要素は薬剤師に対しても間接的に影響を与えますが、そうした要素よりも直接的に作用することになるのが「マンツーマン薬局に勤める薬剤師数」です。 基本的に診療所で発行される処方箋は大病院ほどの量とならないケースが多いため、通常の門前薬局ほどの薬剤師が用意されているというようなケースはほとんどありません。 多くの場合は1名か2名が在籍する程度の規模となりますので、万一薬剤師の体調が崩れてしまった場合などでも代替人員の用意がうまくいかないケースもあります。

マンツーマン薬局は医療分業を推進する上で非常に効果の大きい形態であるとされていますが、そこに勤める薬剤師にとっては「特定分野に特化していく」、 「休日などが取りづらいケースが多い」といったような事実があるということには注意が必要です。